「誕生日」
葉乃様
「副長って、5月5日のお生まれなんですか・・?」
「あぁ。それがどうかしたか・・?」
「いえ、別に・・。端午のお節句の時にお生まれに
なったんだなぁ・・って思っただけです。」
「おぅ。男児の成長を祝う日だ。俺らしいだろ。」
「えぇ。だからいくつになっても大童なんですね・・。」
『むにぃ』
「いひゃいでふ。いひゃい〜はやひてくらふぁい、ふふひょう〜。」
「今なんか言ったか?」
「なんもいっひぇまひぇん。」
「聞こえねぇなぁ・・。」
「ほひぇんなひゃい。ほふ、いひまひぇん。」
「まったく。童に言われたかぁねぇな。」
「もぅっ、童じゃありませんっ。副長だってこんなことするんだから、
充分童でしょうっ。あぁもう、顔が伸びるかと思った。。」
「もう一度やられてぇみてぇだな〜。」
「いや〜っ。」
「・・・ところで、お前はいつ生まれたんだ?」
「うふふ、いつだと思います?」
「冬あたりか?」
「どうしてです?」
「いや、色が白いからよ。」
「残念。違います。色が白いなら副長だって負けてませんよ?」
「俺はいいんだよ。それよりじゃあ、いつなんだ?」
「私は生まれた日は知りません。ただ、春に生まれたそうです。」
「春生まれか、ほぉう。」
「なんですか、ほぉうって。」
「いや、別に・・。」
「なんですか〜気になります〜。」
(まさに花もほころぶ季節ってことか。こいつらしいな。)
「なんでもねぇよ。ほれ童、仕事だ仕事。」
「童じゃありませんっ。すぐ子ども扱いしてっ。」
セイは先ほど土方につままれた頬を膨らませる。
それを見て土方は笑う。
「そういう所が童だって言うんだよ。」
「違いますっ。私だって17。もう大人ですっ。」
そういうセイに、土方はにやりと不敵な笑みを浮かべる。
「なるほど、そうだったな。お前も充分大人だったな。これは失敬。」
そう言うとすっとセイに近寄り腰を抱き寄せる。
「なっ・・ゃっ・・なんですか、急にっ。。」
「俺が大人にしちまったんだもんなぁ。
俺がいつまでも子ども扱いしてちゃいけねぇよなぁ(にやり)」
逃げようとするセイの体を捕らえたまま、耳元で囁く。
「なっ・・そんな事言ってないですっ。
そういうんじゃなくてっ・・ちょっ・・副長っ・・
そうだ、お仕事、お仕事はっ?」
「もう終わった。あとはお前のもってるそれだけだ。」
「えっ・・そんなっ・・で、でもっ・・ほらっ・・。」
「もういいから、黙れ、セイ。」
「〜〜〜〜〜っ〜〜〜〜。」
「・・・・・。なんてな(にやり)」
「はっ?!」
「ほれ、仕事だ仕事。それ片付けちまうぞ。」
「えっ?ええぇっ?」
「なんだよ?期待しちまったか(にやり)」
「そっ・・そんなんじゃありませんっ。もうっ信じられないっ。」
「まぁそう怒るな。続きはあとでな(にや)」
「・・・っっ・・・馬鹿っ・・。」
「馬鹿で結構。いいからそいつを貸せ。そしてお前は茶を入れて来い。」
「・・・。わっかりましたぁ・・。」
からかわれ、拗ねたような顔をしてセイは部屋を出て行く。
「あいつもわかってねぇなぁ・・。」
遠ざかるセイの足音を聞きながら歳三はつぶやく。
(充分大人扱いだろ。俺がここまで真剣なんだから・・・。)
|