「ありがとう」
葉乃様
「わぁ、ありがとうございますv神谷さん♪」
「どういたしましてv沖田先生♪」
「神谷、すまんな。ありがとう。」
「いいえ、斎藤先生v」
「おぅっ、ありがとな、神谷v」
「どういたしまして、永倉先生v」
「神谷ありがとうv」
「どういたしまして、藤堂先生v」
「神谷〜v礼だっチュ-させろ〜♪」
「お気持ちだけで結構です、原田先生・・。」
「神谷君ありがとう。」
「はい!近藤先生、神谷清三郎頑張りますっ!」
「「神谷ありがと、助かるよ。」」
「いえいえ、相田さん、山口さん♪」
「清三郎っ・・ありがとうっ・・君は美しいだけでなくなんて素晴らしいんだっ!」
「・・・・恐縮です・・。伊東先生・・。」
何かしてもらったら、お礼を言う。
ごくあたりまえの礼儀で、武士としても当然のこと。
お礼を言われたくてやってる訳ではないけど、
でも言われたらやっぱり嬉しい。また何かしてあげたくなるんです。
なのに・・・。
「副長、お茶をお持ちしました。」
「おぅ。」
「副長、書類ができあがりました。」
「あぁ。」
「副長、お食事をお持ちしました。」
「うむ。」
「副長・・。」
「あんだよ?」
「いえ・・・・。」
「なんか文句あるなら言えよ?」
「なんでもないですっ・・。」
「童の考えてることはわかんねぇな・・。」
「だから何でもありませんっ。副長、文をお持ちしました。」
「あぁ。」
「・・・・・。」
この人は・・この人はなんで、こうなのでしょう・・・?
そりゃ確かに、礼を言われるほどのことをしちゃいませんけど、
でも・・。
「何拗ねてやがんだ・・・?」
「何でもありませんってばっ・・。副長っ・・お布団を敷きますから、
どうぞお湯にいってらしてくださいっ。」
「?・・あぁ・・。」
セイの機嫌をここまで悪くしている原因に思い当たらず、首をひねりながらも歳三は副長室をあとにする。
そして・・・。
「・・・・・こいつ・・・。やっぱり童だな・・。」
風呂から帰ってきた歳三を出迎えたのは、歳三の布団の上で無防備に眠るセイの姿であった。
2組の布団と、ついたてとがいつもどおり綺麗に整えられている。
どうやらそこまでして、疲れきって寝てしまったらしい・・。
「まったく・・頑張りすぎなんだよ・・。」
小さなため息をつきながらも、歳三の、セイを見る目は優しかった。
小さな働き者を、起こさないように抱き上げる。
「いつもありがとな、セイ。」
小さく、本人さえも聞こえるか聞こえないかの声で、無類の照れ屋はようやく本心を口にした。
セイを布団に寝かせると、顔を耳まで染め上げて部屋を出る。
そして・・無類の照れ屋が出て行った部屋には・・。
「・・・っ・・意地っ張りなんだから・・」
小さくつぶやく働き者。同じく耳まで真っ赤である。
(どういたしまして、歳三さん。)
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