「初めに僕の願うこと」
みるく様
ゴーン・・・
「あけましておめでとうございます、沖田先生。本年もどうぞよろしくお願いします」
「おめでとうございます。こちらこそ、今年も仲良くしてくださいね、神谷さん。
じゃぁ、行きましょうか、初詣」
新年を知らせる鐘が鳴ると同時に、セイは律儀に総司に挨拶をした。
改まった雰囲気に少々照れながらも、総司も挨拶を返し、屯所のある西本願寺に初詣に行くことになったのだ。
「「・・・・・・」」
「よし、神谷さん、お願い終わりました?」
「はい!先生はどんなことをお願いしたんですか?」
「え〜、内緒ですよぅ♪」
「はいはい、どーーせ近藤先生のこととか、甘いものをたらふく食べたいとかそんなんでしょ」
「えぇ!どうして分かるんですか!?」
「・・・・・・・・・考えるまでもないじゃないですか」
総司は軽い調子でおどけ、セイがそれを馬鹿にしたような目で見る、という去年と変わらない喧騒が響いた。
本当はね、違いますよ、神谷さん。私のお願いごと。
今年も変わらず貴女が隣で笑ってくれますように――――
――――今年も沖田先生のお傍にいられますように
「っくしゅん!」
「大丈夫ですか、先生?そろそろ屯所に戻って寝みましょうか」
「大丈夫ですよ。それより、ホラ」
「お団子・・・と甘酒?ですか?」
「えぇ。明日は夜番ですし、一緒に初日の出、見ませんか?」
「はい!」
「じゃぁ、とりあえず戻りましょうか」
総司の差し出した手を、セイの小さな手がきゅっと握り、二人は屯所への道を戻っていった。
多くの波は立ちそうだが、二人の今年の願い事は共に叶いそうだ。
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