一万打お礼






らじるさん改め烏丸さん宅が壱万打を迎えられた時に、お礼のイラストをということでその内容をアンケートに取った結果、 見事一位になった「歳セイ」(*^^)v

かくいう私も烏丸さんのお宅に遊びにゆくたびに「歳セイ」に票を入れました。

(でも、他ジャンルも捨てがたく、他ジャンルのイラスト候補にも票を入れました(^^ゞ)

かくして、お持ち帰りOKになったこのイラスト。

もう歳の世話をしているセイちゃんの図、とてもツボです。

まるで、お小姓セイちゃんじゃないですか。(どこにもそんな設定はされていない)

烏丸さんのコメントでは「仕事に夢中になっている副長を労わるセイちゃん」とのことで、 思わずこんな風景が浮かんできてしまいました。





「副長?」

室内の掃除をしながらセイは部屋の主を呼びかけるも、答えは返ってこない。

何でも仕上げなければならない書類が増えたとの事で、土方はここ二・三日、禄に寝ていない。

夜が明ける前のほんの一刻だけ横になった以外は、文机に向かっているか、会合に出かけるかのいずれかである。



こんな事が二月に一度か二度はある。

小姓になった当初は「お体を壊しますから、早く寝て下さい」とたしなめていたが、すぐにそれを口にしなくなった。

誰かに任せられる仕事ならば、そうすればいい。

だが、これは土方がやらねばいけない仕事なのだ。

セイが変わって出来る仕事ではない。

他の隊士や先生方が変わって済む仕事ではない。

そんな状況で「早く寝て下さい」と言っても、無意味なのだ。

ならば、どうするか。

少しでも土方が仕事をしやすく、そして早く終えられるようにすること。

それならば、小姓の自分でもお手伝い出来るとセイは思った。



走らせていて筆を硯に置いたのを見計らって、セイは後ろからそっと土方の目を両の手で覆う。

まるで、幼子が「だ〜れだ?」と遊ぶかのように。

「おい。仕事の邪魔だ」

怒声を発するが、土方はセイの手をのけない。

ひんやりとした小さくそして柔らかな手が心地良いのだ。

「副長、目の下にくまができていますよ。色男が台無しですね」

くすっと笑うセイ。

「目を少し冷やすだけでも大分違いますよ。幾分か疲れもとれますし、何より気持ちいいですから」

手がそっとのけられると、冷水に浸された手ぬぐいをかわりに土方の眼に当てた。

「どうです?意外と気持ちいいものでしょう?」

「まぁな」

「ついでに少し休憩したら如何ですか。肩、もみましょう」

セイの肩もみはとても気持ちいい。

ツボを抑えているのか、少し痛さを感じるものも気持ちが幾分か良くなるのだ。

「どうした。お前がこんなに親切だと、何だか気味が悪い」

「失礼ですね。誰でも一生懸命している人を見たら、自分に出来る範囲の事で協力できないかしらと思うものです。 副長のこういう姿、平隊士の皆さんがみたら、鬼副長の印象が大分変わるでしょうね」

「・・・・・・お前、余計な事するなよ」

「しませんよ。本人が鬼であることを望んでいらっしゃるんだもの」

また背後でくすっと可愛い笑い声がした。

何だか丸め込められているようで、土方はフンと鼻をならした。

近頃、こういうところがセイは総司に似てきたと思う。



しばらくしたら肩を揉む力が弱まってきた。

そろそろ休憩も潮時だろう。

「ところで、神谷よ。一つ聞きたいことがあるのだが」

手ぬぐいを瞳の上に乗せたまま、問う。

「はい?」

少し息の上がった返事で答えたセイに

「つかぬ事を聞くが、お前さっき畳を雑巾で拭いていたよな。もしかして、俺のこの上にのっかっている手ぬぐい。よもや、その雑巾じゃなかろうな」

肩を揉む手がとまる。

「はてさて、真実を確かめられたら如何ですか」

からかいの口調でいうセイの言葉に土方はガバっと手ぬぐいをのける。

「真実は?」

手ぬぐいを鼻に近づけた後、

「雑巾だろ」

と睨みつけると、セイは意外そうな顔をした。

「あら、匂いなんかしないはずですけれど。心配しなくてもそれは私のふところからだした手ぬぐいですよ。雑巾はあっち」

桶にかけてある雑巾を指差し、セイは笑う。

「いや、お前のことだ。分からん」

「おや、随分と信頼されていないのですね。いいですよ。あくまで雑巾と言い張るのであれば、丁度いい。あとで文机の上を拭いてくださいね。 机の上は重要な書類ばかりで、平隊士の私は恐れ多くて近づけませんから」

ベーと舌を出したセイは再び雑巾で部屋の掃除を始めた。

土方は再度手ぬぐいを鼻に近づけてみる。

先程と同じほんわかとした優しい香がくすぐった。

からかったつもりだったのだが、怒らせてしまっただろうか。

まぁいい。この仕事を終わらせた後、詫びに何か買ってやろう。

この間出かけたときに小物屋でじっと眺めていたあの手鏡がいいだろうか。

朱塗りの若い娘が好みそうな可愛い手鏡だった。

セイのてぬぐいをそっと懐にしまうと、土方が大きな伸びをしてから、再度筆を走らせる。

「副長」

呼びかけと同時に上着がかけられる。

「懐にぬれた『雑巾』なんかを入れては、御風邪を引きますよ」

此度の一件、どうやらセイの方が一枚上手だったらしい。







・・・・・・はう!(現実に帰還してきた)

すみません。

人様の素敵なお品を堪能しているうちについうっかり妄想ssが展開されているということが 多々ありまして、これも歳セイ末期症状で可哀想な奴めと哀れんでやって下さい。

とにもかくにも、烏丸さんvv

この度は素敵な小姓イラスト(だから、そんな設定はどこにもない)をどうも有り難う御座いました。

しっかりきっちり、お持ち帰り致しましたvv