「初秋」


月様



風が涼しい。

青々としていた木々の葉は、ほんのりと、少し色づいている。

これから咲くのだろう秋の花々は、固く閉ざしていた蕾をはんなりと綻ばせる。



秋が、すぐそこに来ていた。





「お茶が入りましたよ」

「ああ」

短く返事を返し、土方は湯飲みを手に取った。

熱すぎもせず、温すぎもしない、丁度いい飲みやすい温度。

彼女、いや、彼が自分の小姓についてどれくらいたっただろう。

短い時間のような気もするし、長い時間だったような気もする。

自分が言った短い言葉尻から、的確な答えをくれるようになった程の時間が経ったことは

事実だ。

「梅が見たいな」

ポツリと漏れた、らしくもない言葉。

瞬間、この生意気な小姓に笑われると思ったが、以外にもそんなことはなくて。

そこにあったのは、見たこともない、総司にすら見せたことのないと願いたい程の、艶や

かな笑み。

「そうですね。でも、来年また見れますよ」

そんなことを言う。





いつ果てるとも知れない日々の中に聞く彼女のそんな言葉が、とても、艶やかで。





「そうだな」





俺はらしくもなく、そう言うしかできなかった。










こちらは月さんから御誕生日のお祝いにと頂いたお品です(*^^)

もうね、ちょっとしたお話のなかに私の大好きポイントがいっぱい詰まっているんです!(鼻息荒い女将)

まずは基本の小姓設定。そして、なにげない日常のひとこま。

流れる時間はゆるやかのように見えてそれでいてほんのり切なさ漂う空間。

あぁ、もうきっと私好みの設定をお品に加えてくださったのだなぁと月さんのお優しさがとても嬉しいですvv

個人的に大好きなフレーズはここです。

「自分が言った短い言葉尻から、的確な答えをくれるようになった程の時間が経ったことは

事実だ。」

もうつうかあの仲なんです。この二人。

それは小姓として良い働きをしているのだろうなぁともうかがえるし、それだけ歳との仲が深まった(要深読み)のだろうなぁともとれる一文。

歳にあわせたお茶もいれているし・・・・・。

歳セイ末期症状患者としてはこの一文だけでも色々と妄想の旅路へ旅立つことが出来まする。

そして、生と死のはざまで生きている彼らだからこそ

「来年見れますよ」

という言葉が重みを増してくるのだと思います。

月さん、この度は素敵な御誕生日プレゼントを下さり、どうも有り難うございました(*^^)

とっても嬉しかったですv