先生と生徒








赤くなった手にハァと息をふきかける。

小さい頃、こんな寒い日は白い息が出るのが面白くて、何度も「怪獣ごっこ」と称して、白い息をかけあったものだ。

セイはそんな幼かりし頃のことを思い出して、ほんのりと笑みを浮かべた。

(皆で、ゴジラとかいって、怪獣ごっこしていたなぁ)

セイはもう一度、はぁと白い息を出すと 玄関の門を開けた。

「ただいま〜」

靴を脱いで顔を上げるとそこには 想像もしなかったゴジラが目の前にいた。

「おせぇぞ」

さも我が家のように、スリッパをはいてセイを見下ろすようにしていたのは、 半年前から来てもらっている家庭教師である。

「って、土方先生!何でここに?

まだ授業時間じゃないのに」

「寒いから早めに来た」

「はい?」

「今日、大学の講義が急に休講になってな。近くの喫茶店で時間をつぶそうと思ったんだが、丁度お前の母さんに会ってな。 買い物をしてくるから、悪いがお前が帰って来るまで留守番をしててくれと頼まれた」

土方はにやりとセイを見ると階段を指差した。

「さて、今日はいつもより30分多く勉強できるな。びっちりしごいてやるからな」

「・・・・・・・・・。」

「そういや、今日数学のテストが返却される日だったよな?どうだった」

鞄のなかにバツが沢山ついた数学のテストが仕舞われているセイにはぐうの音にも出なかった。

「安心しろ。数学も数学以外もびっちり 教えてやるから」

うなだれたセイを見て、土方はからかうようにそして、どこか嬉しそうに言った。





企画1番目のリク権ゲット者は月子さんで、内容は「「女将の歳セイ現代版が読みたい!!う〜ん、設定はありきたりですがやっぱ王道の生徒と教師」 でした。

歳セイの現代版は他の方が書かれたのを拝読するのはとても楽しいのですが、逆に自分が書くとなると難しいと思っていましたが、 いやはや現代版もなかなかいいかもしれないと今回のリクで思ったりしました。

自分が家庭教師をしていることもあって、家庭教師ネタを盛り込んでみたのですが、どうでしょうか?(どきどき)

さて、「数学以外もびっちり教えてやるから」といった歳先生。

気になるその授業内容は裏の「梅柘榴亭」にありますので、興味をもたれた方は、是非そちらもお読みくださると嬉しく思います(^^)

月子さん、この度は企画に参加してくださって、どうも有り難うございましたvv