質問: 「副長室の御二人に、究極の選択をお願いします。伊東参謀との半時の食事会、もう一方は沖田先生との一日甘味食い倒れ道中―ただしこのままでは結果がみえますので、条件をつけます。伊東参謀との食事会は本当に食事と語らいのみ、体への接触はなし。甘味道中の方は、必ず沖田先生より多く食べなくてはいけない。―必ずどちらか一方を選択してください。さて御二人はどちらを選択されますか?」
質問者sarasaraさん
回答
「これは迷うことなき問題ですね。勿論、沖田先生とご一緒を選びます。一日甘味食い倒れ道中に近いことなら過去に幾度も経験がありますからね」
「・・・・・・お前、そんな即決。潔いな」
「へへん、神谷清三郎、真の武士になる為に日々修行中です。うじうじ悩むのは武士らしからぬことです」
「あぁ、さすがは武士だ。俺の小姓だけのことがある」
「へへん」
「・・・・・・お前、最後まで質問内容を読んでねぇだろ(にやり)」
「えっ?(まじまじと質問内容を読み返す)
・・・・・・じょっ、条件つき!?」
「お前は真の武士だもんな。武士に二言はねぇよな。まぁ胃腸が鍛えられていいじゃねぇか。虫歯には気をつけろよ。かっかっかっ」
「・・・・・・。」
「・・・・・・神谷よ、条件以降の部分をそうやって指で隠しても無駄だ」
「・・・・・・」
「だから、条件のところを後ろに折り曲げてなかったことにしようとしても無駄だといっておる。潔く諦めろ。最後までよく読まねぇお前が悪いんだ。未熟者めが。けっけっけっ」
「・・・・・・うわ〜ん。沖田先生より多く食べるなんて無理ですよ。そんなの。先生の甘味に対する生体反応ははっきりいって異常です。副長はどちらを選択されるんですか?」
「まぁ、俺は一度総司に似たようなことで勝ったことがあるからな。お前がどうしてもと言うのなら、あいつを打ち負かす方法を教えてやらねぇでもねぇなぁ」
「ええ!あの沖田先生に甘味で勝ったことがあるのですか!いつ!どこで!如何にして!是非、御指南くださいませ(平伏)」
「江戸にいたころにな、どうしてだったかあいつと賭けをしようという運びになってな。賭けの内容は総司が決める、その代わり賭けの時期は俺が決めるというのはどうかと言ったらあいつはそれにのってきた。いいか、神谷。賭け事ちゅうもんはな、運もあるが、ここも大事だ」
「頭ですか?」
「総司の賭けの内容なんて考える間でもねぇ。賭けをするまえにさりげなく総司に左之と食い倒れ勝負をして、もし総司が勝ったら賭けを無条件で俺の負けにしてやるといったんだ。当然祭り好きの左之は話にのってくるし、総司も俺を負かすために必死に食う。だが結果は当然左之。普通の食いものだったら、左之の食べっぷりに勝るものはいねぇからな。そしてその後総司に俺との甘味勝負を持ち込む。当然総司は腹いっぱいの上での甘味だからな。別腹分しか食えねぇ。それでも勝負は危ねぇところだったが、僅差で俺が勝った」
「よし!今回もその手で行こうっと。良いことを教えてくださり、どうも有り難うございました」
「礼を言うのは早いぜ。お前な、どこの世界に一度引っかかった罠にはまる阿呆がいるよ」
「あぁぁぁぁぁあああああぁああああ(頭を抱える)」
「俺はあの時、食べすぎで一週間も腹の調子が悪かったのと、あんなに甘いもんは食べられねぇし、なにより体を壊すわけにはいかねぇからな。此度だけは全くもって嫌で虫唾が走って、さぶいぼもできてこの上なく気が乗らないが伊東との食事会を選ぶ」
「でも、抱きつかないという約束を伊東先生が素直に守るとは思いません」
「だろうな」
「・・・・・・はっ!やっぱりあのことは真実だったのですね」
「あのこと?」
「この前の伊東先生と東下された折、とても濃厚な接触をされたと斉藤先生がこっそり教えてくれました。詳しいことは副長の体面にかかわるからと教えてくれませんでしたが、それはそれは濃密な接触で、あろうことか副長の方から伊東参謀に接触されたと・・・・・・」
「・・・・・・。斉藤のやろう。よけいややこしく言いやがって!というか、くだらねぇこと話しやがって!!明日から大阪出張に飛ばしてやる!」
「だから私、江戸へ行かれる前の副長と京に帰られた時の副長は、同じ人でありながらも違う副長なのだと。見知らぬ禁断の世界の扉を開けてしまった副長のだと思っていました。そして、温かく見守ろうと・・・・・・」
「見守らんでいい!俺はあいつの念友じゃねぇ!!おぞましいことを言ったのはこの口か!!」
「痛い、痛いですよ〜口、つねらないでください」
「とにかくだ。伊東と二人きりにならなきゃいいんだ。近藤さんと一緒に食事会へ赴き、俺は近藤さんから一寸も離れない。これならば奴も手出しできまい。はっはっはっ」
「・・・・・・なんかそれってずるい気がします」
「だって質問内容に『伊東と二人っきりでの食事会』なんてどこにも書いてねぇじゃねぇか。神谷。言っただろう。ここを使うんだよ。」
「ふん、副長の頭の中には女の人のことでいっぱいなくせに」
「おおう、それもいいな。近藤さんに迷惑かけなくても左右前後に綺麗どころはべらかして、伊東と対談。おれは女だけ見て、伊東の話は聞いているふりすてりゃいいんだ。まぁ、お前はせいぜい腹怖さねぇように気をつけろよ。何だったら、これ持っていくか。石田散薬。気休めにはなろうさ」
「なりません!!」
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