質問:「副長とセイちゃんに質問です。
お二人が一番、幸せ−・・、と思う時はどんな時ですか?
こんな時だから、お二人の口から聞いてみたいと思います。
副長、はぐらかしたりは無し、ですよ。」
質問者: さらさん
回答:
「・・・・・・とのことです。しかしつくづく副長は信用されていませんね。私だけではなくさらさんにも副長の性格がお見通しとは・・・・・・」
「・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なんか年上の方に失礼ですけれど副長が、可愛く思えてしまいました」
「・・・お前みてぇにガキじゃねぇんだ。可愛いと言うな。いい男がすたるだろうが」
「はいはい」
「で、副長が幸せと思われるときはどんな時なんですか?」
「何で俺から言わなきゃなんねぇんだよ。お前から話せ」
「いえいえ、やはりこういうことは副長の方からお話されるのが順番かと」
「こんなときだけ、副長副長と敬うんじゃねぇ」
「あら、失礼な。小姓に任命されたから不肖神谷清三郎、新選組副長土方歳三様の為に身も心も捧げて真摯に御仕えしていますのに、
その気持ちが伝わっていないとは、哀しゅう思います」
「そのよくまわる舌と言い方がいまいち信用できねぇんだ」
「何ですって〜!」
「おう何だ、やるか?」
(いつもの口喧嘩が終わるまでしばらくお待ち下さい・・・・・・)
「・・・・・・ぜぇぜぇ、このままではらちがあきませんので、私からお答え致します」
「何体裁つくろってやがる。俺に負けて先から話すことになっただけじゃねぇか(ぼそぼそ)」
「何かおっしゃいました?」
「別に〜」
「幸せに思う時・・・・・・。そうですねぇ・・・・・・。改まって考えてみると以外と難しいものですね。いつ刀のもとに倒されてもおかしくない日常ですから、今こうして
充実して生きていること自体が幸せなのかもしれませんし、両親も兄も身寄りさえいない私が今こうして誠のためにという生きがいをもって明日の食べ物にも夜の寒さにも困ることなく、生きていられる今この一時が幸せなのかもしれません」
「・・・・・・そうか」
「もう嫌ですよぉ、副長。そんなお顔、副長らしくない。別に自分の生い立ちのことで憐れみを受けようとか同情が欲しいとかそういうのではありません。ただ、純粋に
あの日、髪を切って女を捨て新たな生きがいを見つけられた自分が幸せだとそう申したかったのです」
「前から思っていたんだが、お前・・・・・・つくづく変わっている女子だよな」
「そうですか?・・・ふふふ、そうかもしれません。多少変わっている女子だからこそ鬼の小姓役が務まっているのでしょう」
「女子はきれいなベベ着て、簪さして、着飾って、夫婦になり新たな家庭を築き、子を成し育てて・・・・・・そういうのを望むんじゃねぇか」
「あら?女子よりも女子のことに詳しい副長が女子のことについての問うとは。おかしなこともあるものです。明日は雨かしら?」
「茶化すな」
「そういう女子は多いでしょうが、私はその枠に入らなかったということでしょう。そも幸せは何を重きに置くかで個々に変わってくるものですから。
・・・・・・さて、私はお話しましたよ。次は副長の番です。副長は何に幸せを感じるのですか?」
「・・・・・・いや、だから、そう急に振られると・・・・・・」
「副長、はぐらかしたりは無し、ですよ(にっこり)」
「五月蝿ぇ」
「は・や・く。お次は副長の番ですよ」
「うぅ・・・・・・」
「もう、本当に照れ屋なんだから。そう人の顔をちらちら見て、もう。何なら私が当てて見せましょうか。副長が幸せに思うときを」
「・・・・・・えっ」
「近藤先生のためになること、喜ばれることをかなえて差し上げられる立場を京で得られたこと、そしてそれらが少しでも成し遂げられた時でしょう」
「・・・・・・」
「そういうところ、一途ですよね副長。女の人には見境ないくせに」
「最後は余計だろうが、最後は」
「でも、当たりでございましょ?」
「う・・・・・うむ」
「?まだ何か幸せに思われることがおありなようですね、その表情は。何だろう・・・・・・。う〜む」
「人の顔をじろじろみやがって。俺が幸せなんか感じることがあるはずねぇだろうが、鬼はな幸せなんぞとは無関係なところなんだ。『幸せ』から一本引くと
『辛い』になるって知っているか?俺は辛い役職。幸せなんぞそうだなぁ。イイ女を抱いている時しか感じたことがねぇ。まっ、お子様のお前には分からぬ『幸せ』
だ」
「いつも子供・童・ガキって、そればっかり。ふっ、この神谷清三郎。お里さんという美人で素敵で優しく品のある女性を囲っている身。童ではございません。
いつもお里さんとは副長が想像も出来ないぐらい良い仲なのです。ふふふ、羨ましいでしょう」
「ほう、それはそれは。お前の言うとおり羨ましい限りだ。お前も結構可愛い顔してやり手な男だったんだなぁ。俺もまだまだだったということか。どれ神谷先生。
御指南頂きませぬか(ずずい)」
「きっぱりとお断りいたします。衆道嫌いで有名な貴方がその道を歩かれようとするとは意外な」
「いや、俺とお前ではその道は歩かんだろう」
「うっ、うるさいです。とにかく!私は『副長室親展目安箱』に次の質問が届いていないか確認してきますので!(障子を乱暴に開けてでてゆく)」
「・・・・・・はん。ちょっとその気を見せたら慌てて逃げやがって。初心な童はからかいやすくて仕様がねぇ。幸せという言葉が適するかどうかは分からんが、
あいつといると気が和むのは確かだな」
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