質問〜其の六〜




質問:

土方副長さま、神谷清三郎さま両氏に質問です。

お2人が、「副長に(神谷に)会いたいっ!今すぐ顔みたい!」って

思う時はどんな時ですか?

また逆に「今だけは副長に(神谷に)会いたくないっ!」って

思う時はどんな時ですか?



質問者:葉乃さん







回答:





「・・・・・・これは前者は私と副長の意見が一致すると思うのですが、副長はどう思われますか?」



「いやいや、奇遇だな。神谷。俺も今、同じことを思っていたところだ」



「ですよね」



「ああ」



「では、せっかくですので声を揃えて答えましょうか。我々がお互いに会いたい、今すぐ顔を見たいと思うときは・・・・・・」



(スウと息を大きく吸い込む二人)









「伊東先生につかまったとき!」

「伊東の野郎につかまったとき!」









「ふう。綺麗に重なりましたね」



「あぁ、見事に重なった」



「普段は何かと馬の合わない私達ですが、ことこの件に関しましては同盟状態ですからね。まさに呉越同舟」



「どちらかがあいつに捕まった時はそうするのがいつからか俺達の決まりごとになっていたよな」



「例えば伊東先生が私に抱きつかれた時、副長がそこに現れることで一瞬の隙が先生に生まれる。それを利用してお互い全力疾走」



「近くに内海がいればまだましだがあいつ単体のときが一番厄介だ。当て身をくらわすわけにもいかねぇし」



「・・・・・・いや、あの、副長。この間伊東先生の鳩尾に思いっきり拳を入れておりましたが・・・・・・」



「あれは、つかまったお前がもたもたしやがって逃れる機を失くしたからじゃねぇか。いいか、機というものは待っているだけじゃ駄目なんだぜ。自分から作らなきゃならねぇときもあるんだ」



「あの時は朝目覚めた時に三木先生に抱きつかれていてさぶいぼが出来たとかで必要以上に執拗に抱擁されてほとほと難儀しました。ふう。副長が助けてくださらなければ、どうなっていたことか。伊東先生対策奥義「あっ、あんなところに土方副長が!作戦」もあの日ばかりは効きませんでしたし・・・・・・」



「日に日に怪力が増すあの野郎、恐るべし」



「えぇ、伊東先生の場合の『怪力』は力持ちという意味ではなく、まさに字のごとく『怪しい力』ですからね。あな、恐ろしや」



「・・・・なんか、あいつのこと話していたら悪寒がしてきた。神谷念のため塩まいとけ。とっとと次の質問に答えるぞ」



「承知!今度は逆に会いたくないと思うときは?ということですが・・・・・・」



「会いたくねぇ時ねぇ・・・・・・。自分のことは思いつかんが、お前が俺に会いたくねぇ時というのは分かるぞ」



「あら、またまた奇遇ですね。私も自分の事は思いつかないのですが、副長が私にお会いしたくない時というのは分かる気がします」



「おう、せっかくだ。また互いに声を揃えて答えてみようぜ」



「いいですねぇ。では、私たちがお互いに会いたくないと思うときは・・・・・・」



(再びスウと大きく息を吸い込む二人)





「妓の人と逢引しているとき!」

「総司と逢引しているとき!」









「・・・・・・言葉は重なりませんでしたが、中味は重なりましたね」



「・・・・・・あぁ。見事に重なった」



「普段は何かと馬が合わない私たちですが・・・・・・この件に関しても、息が合うとは。いやはや、不思議なこともあるものです」



「あぁ、そうだな・・・・・・って、くぉら神谷」



「何です。副長。図星でしょう?」



「・・・・・なっ。おっ、俺は副長職の多忙な身、いくら女どもが俺を放っておかないからってそうそう遊びにはいけねぇさ」



「ふうん。おかしいですねぇ。十日前には小物屋の前で薄い山吹色の着物の方と御一緒に、五日前には御茶屋の娘さんと仲睦まじく談笑を、三日前には宿屋に新しく奉公に来たえくぼが可愛らしい人に手相見るふりして腰に手を回して、そして昨日は縁日で鼻緒が切れてしまった良家の娘さんを介抱しお付の方が困っていらっしゃるのを知りつつも、家が近くだと分かるや否や横抱きにしてお送りしていたのは、私の見間違いなのでしょうか」



「・・・・・・(言葉にならない)」





「女の人の前では余裕しゃくしゃくの笑みのくせに何か後ろめたいのか時折キョロキョロとなさっておられたあの男の人は、右から見ても左から見ても前から見ても後ろから見ても土方副長だと思うんですけど・・・・・・(じぃ〜)」





「なっ、ばっ、お前こそな!!十日前には総司と甘味処の帰り手なんかつなぎやがって、五日前は、総司に口についたあんこかなにかを舐められて、三日前には転んだ折に手を差し伸べられていて、そして、昨日は縁日の催し物がチビで見えなかったのか知らねぇが総司に肩車してもらって嬉しそうな顔で『沖田先生』と始終言っていたのは俺の見間違いか?」





「・・・・・・(言葉にならない)」





「「・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」





「・・・・・・ということはなんだ。俺たちが互いに互いの行動が見えていたということか?」



「・・・・・・お会いしたくないという時に限ってその実お会いしていたとは・・・・・・」





「「何故なんだ!!」」







副長もセイちゃんもテレがあるのかなかなか色っぽい答えになりませんでしたが、

二人は会いたいと思っているときも会いたくないと思っているときも 最後には会ってしまう仲だということでしょうか(^^ゞ

葉乃さん、この度は参加して下さいまして、どうも有り難う御座いました<(_ _)>

(初出:2004年11月10日)