男と女




電車に乗っていたときのことである。

車掌が次の駅名を間違えてアナウンスしてしまい、訂正し忘れた。

若くどこか初々しさを感じさせる声だったから、もしかしたらまだ仕事に慣れていなかったのかもしれない。





高校生だった私は気にはなりながらも、今までどおり読書をするため本に目を落とした。

けれどもなかなか駅名を訂正されないことについて、車内はざわめき始める。

隣に座っているおばさんは「あら、間違っているわ。次は松戸よ。どうなっているのかしら」

とおばさん同士で話し合い、見渡せば車内のあちこちでそんな様子が見られた。

 一方、新聞を読んでいるサラリーマン達は一度顔を上げたが、何事もなかったように

再び目を新聞に落とす。



こういう時男は騒がず、女はいつまでも気にかける。





あぁ、男と女は違うなと思った。















男と女とでは脳のつくりが異なるらしい。

詳しい事は知らないが、なるほどと思えることはある。

例えば、少し前に有名になった本に「話を聞かない男・地図が読めない女」というのがあった。

確かに家族で食事をとるとき、妻の話を新聞片手に箸を動かしながら相槌だけうっているシーンはよく見かけるし、道に迷うのは決まって女の方だ。



また教習所に通っている時、教官が「車の運転は男性の方が上手な場合が多い。それは広い視野を見て判断する事ができるからだ」と言っていた。

S字カーブがなかなかこなせずにいた私へのフォローだったかもしれないが、ますますうな垂れてしまった私に「逆に女は全体を見て判断するのは苦手だが、細やかなところには目が届く」と付け加えるようにそっと教官はつぶやいた。



確かに女はそうかもしれない。





「あら、背広に香水が・・・・・・」

「まぁ、こんなところに口紅が・・・・・・」

「ん?ポケットにバーのマッチが・・・・・・」

「あなた、どういうことなの?しらをきらないで!あなたが嘘をつくときは決まって右の眉が動くのよ」





こうなると男は観念せざるを得ない。

こうして夫の浮気はすぐに妻にばれるのである。

女の勘が鋭い理由にはこういうことが背景にあるからかもしれないとふと思った。








つぶやき、第四弾です。

電車やバスの待ち時間や病院の待合室でなどついつい人間ウオッチングをしてしまいます。

もし自分自身を客観的に第三者の視点で見たのなら、どんなふうに映るのだろうかと思います(^^ゞ